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「日本第2位」の企業になった任天堂


 9月25日、任天堂は株式時価総額でトヨタ自動車に次ぐ日本第2位の大企業となり、次世代ゲーム機「Wii(ウィー)」の成功が会社を変貌させたことを改めて浮き彫りにした。

 任天堂のこの日の終値は5万9200円(前日比3.1%上昇)。時価総額は8兆3900億円に膨らみ、キヤノンの8兆1200億円を抜いた。もっとも、時価総額で日本最大のトヨタとの差は依然として大きい。何しろトヨタの時価総額は24兆円に上る。


 Wiiはソニーの「プレイステーション3(PS3)」と米マイクロソフトの「Xbox360」を打ち負かし、世界一売れている次世代ゲーム機となった。Wiiの勢いもあって、任天堂株は過去2年間で4倍以上に急騰したことになる。

 「2~3年前と比べると、任天堂は全く違う会社になった」とKBC証券のゲームアナリスト、上出浩史氏は言う。「任天堂は市場予想を上回る業績を上げ続けており、『バランスボード』などの新製品投入で、クリスマス商戦に向けてWiiに新味を与えている」。

 2008年3月期の業績予想に基づく任天堂のPER(株価収益率)は約28倍だが、株価高騰にもかかわらず、多くのアナリストは同社株が割高だとは思っ ていない。任天堂は控えめな利益予想を出すことで知られているうえ、欧米市場では為替レートが利益を押し上げると見られているからだ。

 任天堂は今、ゲーム機市場首位の座に堂々返り咲いた。17年前、「ニンテンドー(ファミコン)」「スーパーニンテンドー(スーパーファミコン)」で手にしていた座である。

 任天堂の成功は、2002年に同社に転身した岩田聡社長の功績とされている。岩田氏はソニーやマイクロソフトと直接競合しない方向に任天堂の戦略を転換させ、子供だけでなく、大人も取り込むことでゲーム業界に新たな市場を切り拓いた。

 一世代前の「ゲームキューブ」では、ソニーの「PS2」やマイクロソフトの「Xbox」と直接競合し、惨敗したが、その後ギアチェンジし、Wiiではカジュアルゲーマーを狙うことにしたのだ。

 任天堂の首位返り咲きがはっきりしたのは、今年7月、家電大手のソニーを時価総額で初めて上回った時のことだ。そのソニーは先に、(期待されてい た)PS3の値下げを見送ったうえ、PS3向けの仮想世界サービス「Home(ホーム)」の開始が来春にずれ込むと発表し、多くのゲーマーを落胆させた。





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